チラーユニット
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5水冷式チラーユニットにおいて冷却塔(クーリングタワー)の容量選定をする際には、以下の点にご注意ください。○○○○○○○○○○○基礎項目○○○○○○○参考項目(1)項目と名称とその用語の定義および単位はJIS K 0101による。注(2)欄内の○印は腐食またはスケール生成傾向に関係する因子であることを示す。(3)温度が高い場合(40℃以上)には、一般に腐食性が著しく、特に鉄鋼材料が何の保護皮膜もなしに水と直接触れるようになっている時は、防食薬剤の添加、脱気処理など有効な防食対策を 施すことが望ましい。(4)密閉式冷却塔を使用する冷却水系において、閉回路循環水およびその補給水は温水系の、散布水およびその補給水は循環水は循環式冷却水系の、それぞれ水質基準による。(5)供給・補給される源水は、水道水(上水)・工業用水および地下水とし、純水・中水・軟化処理水などは除く。(6)上記15項目は腐食およびスケール障害の代表的な因子を示したものである。128 ●冷却塔で排気する熱量は概ね「冷却能力+消費電力」となります。ここで、冷却能力・消費電力は水温条件によって変化しますので、 実際にご使用になる温度条件のみでなく、プルダウン運転も考慮して余裕をもった容量を選定してください。 ●特に低温(ブライン)用においては、ブラインが冷やし込まれるまでの高温状態では冷却能力が大幅に増加しますので、標準仕様表に記載のある冷却能力のおよそ2 倍に消費電力分を見込んで容量を選定してください。冷却塔の容量が不足すると、高圧遮断装置が作動するなど、チラーユニットが運転を継続することができなくなります。ブレージングプレート式熱交換器は、分解洗浄や部品交換が不可能な構造となっています。腐食防止およびスケール付着防止のため、プレート式熱交換器に使用する水質には十分注意願います。プレート式熱交換器に使用する水質は少なくとも日本冷凍空調工業会で定められた冷凍空調機器用水質ガイドラインJRA GL-02-1994を遵守してください。さらに冷却水温が50℃以上となる場合には腐食 防止のため塩化物イオン濃度を100ppm以下に、スケール付着防止のため全硬度を150mgCaCO3/L以下に維持してください。 防腐剤やスケール抑制剤などを使用する場合には、ステンレス鋼と銅に対し腐食性のないものを使用してください。日本冷凍空調工業会の水質ガイドライン項目(注1)(注5)(注6)冷却水系(注4)循環式循環水補給水6.0〜8.030以下50以下50以下50以下70以下50以下30以下0.3以下0.1以下6.5〜8.2pH(25℃)80以下電気伝導率(mS/m)(25℃)200以下塩化物イオン(mgCl-/L)硫酸イオン(mgSO42-/L)200以下酸消費量(pH4.8)(mgCaCO3/L)100以下200以下全硬度(mgCaCO3/L)カルシウム硬度(mgCaCO3/L)150以下50以下イオン状シリカ(mgSiO2/L)1.0以下鉄(mgFe/L)銅(mgCu/L)0.3以下硫化物イオン(mgS2-/L)アンモニウムイオン(mgNH4+/L)1.0以下0.3以下残留塩素(mgCl /L)4.0以下遊離炭酸(mgCO2/L)安定度指数6.0〜7.0検出されないこと検出されないこと検出されないこと検出されないこと検出されないこと検出されないこと検出されないこと0.1以下0.3以下4.0以下○――――――一過式一過水循環水[20℃以下]6.8〜8.040以下50以下50以下50以下70以下50以下30以下1.0以下1.0以下6.8〜8.040以下50以下50以下50以下70以下50以下30以下1.0以下1.0以下1.0以下0.3以下4.0以下1.0以下0.3以下4.0以下冷水系温水系(注3)循環水補給水20℃を超え60℃以下6.8〜8.040以下50以下50以下50以下70以下50以下30以下0.3以下0.1以下7.0〜8.030以下50以下50以下50以下70以下50以下30以下1.0以下1.0以下1.0以下0.3以下4.0以下0.3以下0.25以下0.4以下傾向(注2)補給水腐食スケール生成7.0〜8.030以下50以下50以下50以下70以下50以下30以下0.3以下0.1以下0.1以下0.3以下4.0以下水配管設備4冬期に運転を休止する場合や夜間に運転を停止する場合、外気温度が0℃以下になる地域においては水回路の自然凍結防止(水抜き・循環ポンプ運転・ヒーター加熱など)が必要です。屋外に設置される空冷式および空冷ヒートポンプ式チラーユニット(低温用を除く)は、 停止中に外気温度と水温を検知し、条件が成立すると冷温水循環ポンプに運転指令を自動で出力(ポンプ搭載製品は自身のポンプを 運転)して水側熱交換器の凍結を防止します。しかしながら、チラーユニットの設置場所よりも温度が低くなる場所が水系統内にある 場合など、チラーユニットの機能だけでは水系統全体の凍結防止はできませんので、必ず空調設備側でも凍結対策を行ってください。特に外気処理空調機については、水を循環させていても凍結してしまう場合があります。またポンプ故障などでポンプが運転できない状態になることも十分にあり得ますので、バックアップ策についてもご検討ください。水質管理・水側熱交換器の取り扱い1水質管理について

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